「彼は面白い人ね。日本ではどんな印象なの?」
米議会で岸田文雄首相の演説を聞いた議会関係者の女性からこう質問された。
記者が「真面目な性格という印象ではないか」と答えると、「そうなの? すごく面白い人じゃない」と語り、演説に引き込まれたことを振り返っていた。
演説に織り交ぜられた米国流ジョークで話題となったのが、岸田首相が米国に住んでいた子供の頃、有名アニメ「フリントストーン」を楽しんでいたことを紹介したときの一言だ。
主人公がうれしいときに発する言葉「ヤバダバドゥー」を用い、「今でもあの番組を懐かしく感じます。ただ、『ヤバダバドゥー』の意味を訳すことはできませんでしたが」と語り、大きな笑いを誘った。
議会演説のすぐ後の午餐(ごさん)会であいさつしたハリス副大統領は、岸田首相が演説で「『ヤバダバドゥー』をどう訳したらいいのか分からないと語っていたのは痛快だった」と話し、さらに笑いを巻き起こした。
ある議員は「岸田首相はユーモアや人生のエピソードを交え、米国の聴衆にスピーチをする方法を理解している」と感心していた。
ジョークなどで議員をひきつけ、国際秩序の維持に日本が米国と肩を組んで取り組むという演説の核心部分を伝えることに成功したようだ。(坂本一之)
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