イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続く中、多くの避難民がテントで生活するパレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファ=3月11日、ロイター

 米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は18日、イスラエルのダーマー戦略問題担当相らとオンラインで協議した。ホワイトハウスによると、イスラエルが計画するパレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファへの侵攻について、米側が懸念を伝え、イスラル側は考慮する姿勢を示した。両者は近く改めて協議する。

 この協議は、両国の「戦略協議グループ」の会合で、1日にも開催された。本来は今週中に米首都ワシントンで会談する予定だったが、13日夜のイランによるイスラエルへの大規模攻撃で延期になっていた。

 ラファ侵攻について、イスラエルのネタニヤフ首相は「必ず実行する」としている。しかし、現地には大勢のパレスチナ市民が避難していることから、バイデン米大統領は民間人の犠牲増加や人道危機のさらなる深刻化を懸念してきた。

 米ニュースサイト「アクシオス」によると、米・イスラエル両国の当局者が水面下で話し合いを続けてきた。イスラエルが示す侵攻計画には、ラファの街全体で作戦を実行するのではなく、特定の地区で市民を事前に避難させたうえで段階的に実行する案が含まれているという。

 今回の協議では、イランによる攻撃についても話し合ったほか、幅広いパートナー国との協力で防衛を強化するための取り組みや、米国が発表したイランに対する追加制裁も議題になった。【ワシントン松井聡】

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