米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を搭載したパソコンで起きた大規模な不具合によって、欧州でも英国、ドイツなど各国の航空でシステム障害が起きた。
英メディアによると、ロンドン郊外のスタンステッド空港ではチェックイン作業に不具合が生じ、職員が手作業で対応したため、長蛇の列ができた。他の空港でも発着の遅れが相次いだ。
アイルランドの格安航空会社(LCC)ライアンエアは、利用客の本人確認などに時間がかかるため、少なくとも出発の3時間前に空港に到着するよう呼びかけた。
英政府の安全保障筋はロイター通信に、今回のシステム障害はサイバー攻撃などによる問題として扱われていないと語った。
ベルリンのブランデンブルク空港でもシステム障害で一時、全ての便の運航を停止した。乗客のチェックインは再開したが、相当数の遅延が見込まれている。チェコのプラハ空港でも、システム障害の影響で一部の便に遅れが出た。オランダのスキポール空港でも障害が発生した。
スペインの空港管理機関AENAは、「世界的なコンピューターシステムの停止」により各地の空港で遅延が発生しており、手動システムに切り替えて対応していると発表した。
このほか、米国ではアメリカン航空、ユナイテッド航空などが運行を停止している。
また医療機関にも影響が出ている。英国では病院の予約システムが機能しなくなり、診療をキャンセルさせられた患者も続発した。患者が来院しても、患者のデータを見ることができず、医師が適切な診療ができないケースも起きているという。
ドイツの二つの病院では、システムの障害を理由に手術の一部を中止した。ドイツでは銀行にもシステム障害の影響が出ている。【ブリュッセル宮川裕章、ロンドン篠田航一】
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