共和党全国大会で演説するマイク・ジョンソン下院議長=2024年7月16日、AP

 米共和党のマイク・ジョンソン下院議長は17日、FOXニュースのインタビューで、トランプ前大統領に対する銃撃を防ぐことができなかったなどとして大統領警護隊(シークレットサービス)のキンバリー・チートル長官に辞任を求める考えを示した。近く銃撃事件と「セキュリティーの崩壊」を調査する超党派のタスクフォースを設置することも明かした。

 銃撃事件は13日に起き、トーマス・クルックス容疑者(20)が、演説台から約120~130メートル離れた会場外の建物の屋上から半自動小銃AR15でトランプ氏を狙撃したとみられている。容疑者が建物の屋上になぜ立ち入ることができたのかや、屋上に上ってから銃撃するまでの間にシークレットサービスはなぜ対処できなかったのかなど、警備態勢の不備を指摘する声が強まっている。

 ジョンソン氏は「許しがたいことだ」とし、チートル氏が15日に米ABCニュースに「傾斜がある屋根の上には誰かを乗せたいとは思わない」と語ったことを取り上げて、「通用しない」と批判した。そのうえで、「手続き上のハードルが少なく、召喚権限を持たせることができる」という超党派のタスクフォースを22日にも設置し、真相究明を進める考えを示した。

米共和党全国大会の警備に関する記者会見で発言する大統領警護隊のキンバリー・チートル長官=2024年6月21日、AP

 共和党が過半数を占める下院では、監視・説明責任委員会のジェームズ・コマー委員長が17日、チートル氏に対し、同委が22日に開く公聴会に出席して証言するよう召喚状を出した。このほかにも、国土安全保障委員会が23日に、司法委員会が24日にそれぞれ公聴会を開く予定だ。議会専門紙ヒルによると、議会では少なくとも六つの委員会が事件について調査しているという。【ワシントン西田進一郎】

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