日米韓3カ国は17日、米ワシントンで初の財務相会合を開き、「最近の急速な円安やウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識する」と表明した。同日に日米欧が開催した先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議でも「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済、金融の安定に悪影響を与え得る」とする従来合意を再確認。複数の枠組みで市場動向を注視する姿勢を示した。
鈴木俊一財務相は同日、記者団に対し、円安が進んだ場合の具体的な対応への言及は避けつつ、介入も視野に「適切に対応する」との考えを改めて述べた。
鈴木氏はイエレン米財務長官との個別面会で、為替に関し「行き過ぎた動きには適切に対応するという立場を伝えた」と説明した。
G7の共同声明には日本の主張を踏まえ「為替レートの過度の変動や無秩序な動き」を牽制(けんせい)する文言が盛り込まれた。
日米韓の財務相は共同声明に「外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」と明記した。
日米韓の共同声明では、ウクライナ侵略を続けるロシアや同国の武器調達を支援する北朝鮮を非難し、制裁での連携を確認した。
中国を念頭に「経済的威圧」や「過剰生産」に関する問題などへの対応で協調していくことも示した。
中国が触手を伸ばす太平洋島嶼(とうしょ)国や東南アジア諸国連合(ASEAN)の「マクロ経済や金融の強靱(きょうじん)性などを強化するため力を結集する」ことで合意した。
G7の共同声明では、イスラエルを攻撃したイランへの経済制裁を巡り協力を図ることを確認。「イランによる武器の取得、製造、移転」を抑制する考えを示した。ロシアによるウクライナ侵略は「大きな人的、経済的犠牲を引き起こしている」と批判。ウクライナへの財政支援に取り組むとした。
また、中国やインド、韓国などを加えた20カ国・地域(G20)の会議も同日開幕し、気候変動問題への対応を議論。18日に2日目の協議を行う。(ワシントン 坂本一之)
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