アメリカのバイデン大統領は、中国製の鉄鋼とアルミにかけている制裁関税を現在の3倍に引き上げることを検討すると正式に表明しました。

バイデン大統領
「中国政府は莫大な補助金を鉄鋼メーカーに出しています。彼らは競争していません。彼らは不正を働いています」

アメリカのバイデン大統領は17日、演説し、通商法301条に基づいて中国製の鉄鋼とアルミに課している制裁関税を現在の3倍に引き上げることを検討すると正式に表明しました。

バイデン氏は、中国政府が鉄鋼メーカーに多額の補助金を支給して過剰な生産を行い、鉄鋼価格の下落を招いているとして「不正を働いている」と強く批判しました。

また、バイデン氏は日本製鉄による大手鉄鋼「USスチール」の買収計画について「USスチールは今後も完全なアメリカ企業であり続けるべきだ。それは実現する。私が約束する」と述べ、否定的な考えを強調しました。

このバイデン氏の演説は、フィラデルフィア州のUSW=全米鉄鋼労働組合の本部で行われました。フィラデルフィア州は大統領選の勝敗を左右する激戦州のひとつで、鉄鋼メーカーが多く集まっています。

バイデン氏としては国内の鉄鋼産業を保護する政策のアピールを通じて、フィラデルフィア州での鉄鋼労働者の支持を固めたい考えです。

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