17日、ソロモン諸島ホニアラで投票する男性(共同)

【シンガポール=森浩】南太平洋のソロモン諸島で17日、議会(一院制、定数50)選挙の投票が行われた。親中派であるソガバレ首相の与党連合が政権を維持するかが焦点。南太平洋島嶼(とうしょ)国でも中国傾斜が特に顕著なソロモンの選挙の結果は、米中が浸透を競う地域情勢に影響する可能性がある。

選挙戦は親中姿勢が争点の1つとなった。ソガバレ氏は選挙期間中の演説で、「中国は(建国以来)改革の70年を経てきた」と称賛した上で、「ソロモンは中国式統治」を採用していると述べた。「中国に物乞いはいないが、米国ではすべての主要都市にいる」と、米国を揶揄(やゆ)するかのような発言もしている。

2019年の前回選挙で4度目の首相に就任したソガバレ氏は、同年に台湾と断交し、中国と国交を樹立。22年には中国軍の寄港を可能とする安全保障協定を結ぶなど、急速に中国との関係を深めた。中国の支援で競技場が建設され、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が約160基の電波塔建設を決めた。

野党側は選挙戦でソガバレ氏の親中ぶりを批判し、外交政策の見直しを訴えた。有力野党の1つ、統一党のケニロレア党首は、自身が首相となった場合、中国との安保協定破棄に取り組み、台湾と再び外交関係を結ぶ可能性を示している。

選挙結果が確定するには、数日かかるとの報道がある。その後、与野党両陣営による連立交渉が行われる見通しで、新首相の選出まで数週間以上かかる可能性がある。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。