英国の下院(定数650)総選挙が4日、投開票される。各種世論調査では、スターマー党首率いる最大野党・労働党がスナク首相の与党・保守党に大差を付けて圧勝する見通しだ。政権交代が確実視される中、労働党「影の外相」のデービッド・ラミー氏(51)は1日、「日本は重要なG7(主要7カ国)のパートナーだ。(日英伊3カ国による)次期戦闘機の共同開発も歓迎する」と述べ、労働党政権も引き続き日本を重視すると述べた。
「対日関係は極めて(hugely)、極めて、重要」。ロンドンの英外国特派員協会で会見したラミー氏は、「極めて」を2回繰り返した。スターマー政権が樹立された場合、ラミー氏は外相になる見通しだ。
ラミー氏は「(ロシアの)ウクライナ侵攻という欧州の危機に際し、日本が果たした(財政支援などの)役割は大きい」と日本の貢献を評価した。そのうえで、中国などの名指しは避けつつも「日本が近隣国との間で直面する課題も認識している。共に課題に取り組む」と述べた。
現在の労働党で、ラミー氏と「影の国防相」のヒーリー氏の2人はここ数年、政権交代に備えて外国要人との人脈を築いてきたとされる。スターマー党首は外交経験がなく、国際情勢に「ほとんど関心がない」(英誌ニュー・ステーツマン)とみられており、ラミー氏の今後の外交手腕が注目されている。
ラミー氏は会見で、パレスチナとイスラエルとの「2国家共存」を支持すると述べた。また、11月の米大統領選で共和党のトランプ前大統領が当選するケースも念頭に「私は共和党との人脈も重視する」と語った。
ラミー氏は両親が南米ガイアナ出身。米ハーバード大ロースクールを修了し、弁護士資格を持つ。2000年に下院議員に初当選した。【ロンドン篠田航一】
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