イランでは大統領選挙の投票が行われ、開票が進んでいます。現地メディアは19年ぶりの決選投票となる可能性が高いと伝えています。
記者
「選挙の投票が続けられていますが、投票所内、外国メディアの姿が非常に多く見受けられ、今回の選挙、世界からの関心の高さを伺わせます」
28日、イランで行われた大統領選挙。最終的に保守派の候補者3人と、改革派の候補者1人の合わせて4人で争われました。
欧米との対話に前向きな改革派から立候補したのはペゼシュキアン氏。当初は知名度の低さから苦戦するとみられていましたが、選挙戦が進むにつれ、現体制に否定的な市民からの支持を広げてきました。
ペゼシュキアン氏に投票
「世界との関係の改善や、国内の問題を良い方向に変えてほしいと思っています」
欧米との対立姿勢を示す保守強硬派で有力なのはジャリリ氏で、現地メディアはこの2人の決選投票となる可能性が高いと伝えています。
今回、80人が立候補登録をしたものの、事前審査によって失格者が続出しました…
そのうちの1人、オンライン教育機関の学長を務めるラファト・バヤットさん。特別な思いで選挙に挑戦しました。
事前審査で失格 ラファト・バヤットさん
「女性にも機会を与えるべきだと思います。女性は平等な権利を持っていても待つだけです。しかし、平等な機会があれば、自分も挑戦できます」
今回、他に3人の女性も候補者登録をしましたが、いずれも審査で失格となりました。
世界各国の男女格差の状況をまとめた「ジェンダーギャップ指数」によると、イランは146か国中143位。国会議員や、閣僚級など要職に就く女性の割合は5%ほどと、特に、女性の政治参画が最低レベルです。
国会議員を1期務めたことがあるバヤットさんでも大統領選への立候補には高い壁が立ちはだかります。
事前審査を担う「護憲評議会」は…
護憲評議会 報道官
「基本的に、性別によって(立候補が)妨げられることはありません。(Q.いつかこの国で女性の大統領は生まれますか)法的な条件が整うのであれば、あり得なくはありません」
性別による差別はないとしましたが、過去に1度として、女性の候補者が認められたことはありません。
バヤットさんは「護憲評議会は女性を信用していない」と話します。
バヤットさんにとって3回目となった大統領選挙への挑戦。イランの将来を見据えて、「必ず4度目も」挑戦を続けると言います。
ラファト・バヤットさん
「きっと、若い世代が私を見てくれているはずです。私や、私のような女性たちが切り開いた道に続いてくれると信じています。もちろん、道は開けるでしょう」
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