アウルスを運転するロシアのプーチン大統領(右)と、助手席に座る北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記=2024年6月20日提供、朝鮮中央通信・ロイター

 ロイター通信は28日、ロシアのプーチン大統領が19日に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記と会談した際、金氏に贈ったロシアの最高級車「アウルス」について、少なくとも2023年まで韓国製部品を使って製造されていたと報じた。プーチン氏と金氏は会談後、2人でアウルスに乗りドライブ。両国の国営テレビが大々的に報道し、アウルスは露朝の蜜月ぶりを示す象徴となっていた。

 ロイターが税関当局の記録を調べたところ、ロシアは18~23年に少なくとも3400万ドル(約54億円)相当の車両部品などを輸入し、アウルスの製造などに使った。輸入品は車体部品やセンサー、溶接機器など多岐にわたる。このうち韓国からの輸入額は約1550万ドルに達した。中国、インド、トルコ、イタリアなどから輸入した部品もあったという。

 アウルスはプーチン氏の大統領専用車にも使われている。今回、金氏に贈られたアウルスはリムジンタイプ。プーチン氏は24年2月にも、今回とは別のタイプのアウルスを金氏にプレゼントしており、北朝鮮国営メディアによると、金氏が行事などで使用している。

 ロイターによると、アウルスを製造するロシア企業は24年2月に米国から経済制裁を受け、海外からの部品輸入が困難になったとみられる。プーチン氏が贈った2台のアウルスが、いつ輸入した部品で製造されたのかは分かっていない。【ソウル福岡静哉】

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