11月の米大統領選で再選を目指す民主党のバイデン大統領の陣営は、20日に米国で開幕するサッカーの南米選手権(コパ・アメリカ)に合わせて、共和党のトランプ前大統領に「レッドカード」を出す30秒間の選挙広告を公開した。7月中旬までの大会期間中に数百万ドルを投じて、集中的に広告枠を買い取る方針だ。中南米系の有権者の民主党離れが指摘される中、サッカー人気に乗じてアピールを狙う。
映像は「ゴール!」と題され、バイデン政権が2021年1月に発足して以降、新型コロナウイルス禍の中で観客が不在になったスタジアムが活気を取り戻したとアピール。社会経済活動の正常化には、トランプ氏が大統領在任中にワクチン開発を急いだことが寄与した面もあるが、広告は「トランプはおしゃべりだけ、バイデンは実行する」と手柄を独占し、トランプ氏に「退場」を求めた。
今回のコパ・アメリカには、南米10カ国だけでなく、北中米カリブ海の6カ国も参加。過去には「サッカー不毛の地」と呼ばれた米国でも、サッカー人気はじわじわと高まっており、23年12月のギャラップ社の調査では「最も好きなスポーツ」でアメリカンフットボール(41%)、野球(10%)、バスケットボール(9%)に次ぐ4位(5%)だった。【ワシントン秋山信一】
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