香港当局に国家安全維持法の違反容疑で指名手配されている民主活動家らが東京都内で記者会見し、中国による国境を越えた弾圧の実態や香港の現状について話しました。
在香港英国領事館元職員 サイモン・チェンさん
「亡命中のすべての活動家は、脅迫や嫌がらせなどに直面しているでしょう」
きょう都内で会見したのは、香港からイギリスへ亡命し、民主化活動を続けるサイモン・チェンさん。
チェンさんは2019年に中国本土の深セン市へ出張した際、当局に突然拘束されました。2週間後に釈放されましたが、その後、イギリスに亡命し、活動を続けています。
チェンさんは国家安全維持法の違反容疑で指名手配されていて、「イギリスを拠点にしていても安全ではない」といいます。
在香港英国領事館元職員 サイモン・チェンさん
「政治的な緊張が高まると、監視のために数人が見張りにきます」
また、「中国当局者があなたを見つけて連れ戻す」という送信者不明のメッセージが届いたこともあるといいます。
今年3月、「国家安全維持条例」が施行されると香港政府は条例に基づき、チェンさんのパスポートを無効としました。
チェンさんは、中国が国家安全維持法のもと民主活動家らに対し海外でこうした弾圧を行っていて、その対象は拡大しつつあると警鐘を鳴らします。
在香港英国領事館元職員 サイモン・チェンさん
「重要なのは、この抑圧的な法律(国家安全維持法)が、有名な活動家だけでなく、香港の民主化を目指すすべての人たちをも標的にするようになってきていることです」
チェンさんは、日本でも香港の活動家に対する脅迫や嫌がらせは起きうるとし、中国政府による海外での弾圧について日本の人々も認識する必要があると訴えました。
一方、チェンさんと同じく、国家安全維持法の違反容疑で香港当局に指名手配され、亡命先のイギリスで民主化運動を続けている民主活動家のフィン・ラウさんも、外国特派員協会で会見しました。
ラウさんは「国家安全維持法」に加え、3月に施行された「国家安全維持条例」により、反政府的な言動への取締りが強化されている香港の現状について、こう訴えました。
民主活動家 フィン・ラウさん
「2024年のいま香港の(民主化運動についての)ニュースを見ることは少なくなってきています。なぜなら、香港にはもはや以前のように団結して抗議する自由がないからです」
一方で、「香港が負けたという人もいるがそうは思わない」とも述べ、2019年の大規模デモについて「世界に働きかけたという面では勝利したとも言える」と強調。「国際的な深い協力関係を様々な地域の人々と築くことができた」と語りました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。