10月に任期満了を迎える北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長の後任に、オランダのルッテ首相が選出されることが18日、確実となった。オランダ公共放送などが報じた。選出に反対していたハンガリーのオルバン首相が支持に転じた。
NATOの事務総長には、ルッテ氏のほかルーマニアのヨハニス大統領が立候補を表明している。選出は加盟32カ国の全会一致が原則となっており、ロシア寄りとされるハンガリーが、ロシアへの強硬姿勢で知られるルッテ氏の選出に反対していた。
だがストルテンベルグ氏が12日、ブダペストでオルバン氏と会談。ハンガリーがNATOのウクライナ支援に反対しないかわりにハンガリーが支援に人員や資金を出す義務はないと確約。ルッテ氏も17日、オルバン氏とブリュッセルで会談し、就任時にこの確約を継続するとしたため、オルバン氏は18日、反対撤回を表明した。
NATO次期事務総長を巡っては、米英仏独の支持を得たルッテ氏が当初から有力視されてきた。今回、オルバン氏が支持を表明したことで、ヨハニス氏は出馬を取り下げる公算が大きくなった。
ストルテンベルグ氏は訪問中のワシントンで18日、「私たちは次期事務総長選出の結論に明らかに近づいた」と述べた。【ブリュッセル宮川裕章】
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