【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ政権は16日、同国本土に大規模攻撃を行ったイランへの対応を協議した。米CNNテレビ(電子版)は米当局者の話として、イスラエルはイラン国内に「限定的」な反撃を実施する方向に傾いているとの情報があると伝えた。別の米高官は、イスラエルがどのような反撃をいつ行うかの情報は米側に来ていないと述べたという。
ドイツのベーアボック外相は16日、緊張緩和のためイスラエルに向かい、政府高官らと協議すると述べた。欧米や中東諸国はイスラエルに自制を求めており懸命の調停が続いている。
イスラエルのカッツ外相は32カ国に対し、イランのミサイル開発計画に制裁を科すよう求める「外交攻勢」を始めたと述べた。イエレン米財務長官も近くイランに新たな経済制裁を科すと表明しており、非軍事分野で「イラン包囲網」を構築する動きが広がっている。
一方、イランのライシ大統領は16日、国益を脅かすどんな小さな行動であっても、「厳しくて広範囲に及び痛みを伴う反撃」を行うと述べ、イスラエルに攻撃しないよう警告した。
ライシ師はまた、ロシアのプーチン大統領との電話会談で、イランがイスラエルに行った攻撃は限定的で、緊張を激化させるつもりはないと述べた。プーチン氏は「中東全体に破滅的な結果」をもたらすとし、全当事者に自制を求めた。露大統領府が16日に発表した。
イスラエル軍は16日、隣接するレバノン南部を空爆して親イラン民兵組織「ヒズボラ」の司令官を殺害した。ヒズボラとの交戦が激しさを増しているもようだ。軍はイスラム原理主義ハマスとの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ北部でも軍事作戦を始めた。
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