G7サミットで歓談する岸田文雄首相(左)とイタリアのメローニ首相=イタリア南部プーリア州で2024年6月13日、ロイター

 岸田文雄首相は14日午後(日本時間同日夜)、イタリア南部のプーリア州で、イタリアのメローニ首相と短時間会談し、自衛隊とイタリア軍が物資や役務を融通し合う「物品役務相互提供協定(ACSA)」の交渉開始で一致した。

 両首脳は、2027年までの両国の協力の指針となる「日伊アクションプラン(行動計画)」を発表。両国外務次官による「戦略対話」を創設して年1回開催していくことや、日本への寄港を含む自衛隊とイタリア軍の共同訓練の実施などを明記した。

 会談ではメローニ氏が「両国が2国間関係を戦略的パートナーに格上げしてから1年半で、大きな成果が上がっていることを歓迎する」と表明。両首脳は両国関係のさらなる発展に向けて、緊密に連携していくことで一致した。

 また岸田氏は14日夜(日本時間15日未明)、カナダのトルドー首相と約15分間会談した。25年はカナダが主要7カ国(G7)の議長国であることを踏まえ、両首脳は引き続き連携していくことで一致。中国を含むインド太平洋情勢や、拉致、核、ミサイル問題を含む北朝鮮への対応で連携していくことについても意見を交わした。

G7サミットで握手する日本の岸田文雄首相(左)とインドのモディ首相=イタリアで2024年6月14日、ロイター

 さらに岸田氏は14日夜、インドのモディ首相と約15分間会談した。両首脳は、年内に予定しているモディ氏の来日を見据えて両国の協力を深化させることで一致した。

 岸田氏は会談で、日印関係を「特別戦略的グローバルパートナーシップ」に格上げしてから今年で10年がたつことに触れ、「次の10年を見据え、両国の関係を一層多様化、深化させていきたい」と述べた。モディ氏は「日印関係のさらなる発展に向けて引き続き連携していきたい」と応じた。モディ氏が3期目の政権を9日に発足させて以降、岸田、モディ両氏が会談するのは初めて。【バーリ(イタリア南部)影山哲也】

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