中国の李強首相は13日、ニュージーランド(NZ)を訪問し、ラクソン首相と会談した。李氏は、NZが中国を念頭に置いた米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」と先端技術分野での協力を検討していることに懸念を伝えた。会談で両氏は貿易や経済、環境問題での連携を確認したが、立場が異なる議題もあると強調した。
中国の首相がNZを訪れるのは2017年以来7年ぶり。20日までに豪州とマレーシアも訪問する予定。
共同記者会見で、ラクソン氏は南シナ海や台湾海峡に関する懸念を李氏に伝えたと説明し、見解が異なる議題については「今後も一貫して提起していく」と述べた。李氏は「国情や発展度の違いから、すべてにおいて意見が一致しないのは当然だ」としつつ「違いが連携を阻んではいけない」と強調した。
NZは、米英豪カナダとの英語圏5カ国で機密情報を共有する「ファイブアイズ」の一員だ。オーカスに関しては、豪州への原子力潜水艦の導入計画がNZの非核政策と相いれないとする立場をとるが、先端技術分野での協力には「可能性を探る」と積極的な姿勢を示す。また、6月には南シナ海で中国との対立が高まるフィリピンと演習などにおける相互兵たん支援協定を締結した。【バンコク石山絵歩】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。