韓国総選挙で1票を投じる男性=ソウル市で2024年4月10日、ロイター

 韓国の総選挙(定数300)の投票が10日、始まった。韓国メディアは世論調査などに基づき、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の保守系与党「国民の力」が過半数の議席を獲得するのは困難だとの見通しを報じている。即日開票され、11日未明までには大勢が判明する見通し。

 ソウル市鍾路区の投票所には10日朝、有権者が次々と訪れ、1票を投じていた。近くに住む金在承さん(70)は「国の行方を決める重要な選挙だ。力を尽くしてくれると思う政治家に1票を入れた」と話した。中央選挙管理委員会によると、日本の期日前投票に当たる事前投票(5、6日)では有権者の約31・3%が投票を済ませている。

 総選挙は、小選挙区(254議席)と比例代表(46議席)で争われる。現有議席は、進歩系の野党「共に民主党」が系列政党を含め過半数の156。国民の力は系列政党を含め114で、尹政権は少数与党だ。与党が今回も過半数割れすれば、大統領任期を約3年残す尹氏は引き続き難しい政権運営を迫られる。

 一方、共に民主党は、2027年の次期大統領選も見据え、過半数の維持を目指している。野党勢力では、3月上旬に結成された曺国(チョ・グク)元法相率いる進歩系の新党「祖国革新党」が支持を急激に広げた。祖国革新党は候補者擁立を比例に絞ったが、一定の議席を確保するとみられている。【ソウル福岡静哉】

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