アメリカ東部で嵐が猛威を振るうなか、迫りくる竜巻をカメラが捉えました。

■迫りくる「竜巻」暴風で火花散る

 停車中の車から捉えられた映像。凄まじい風が吹き荒れ、目の前を木やがれきのようなものが次々と飛んでいきます。

 窓を開けて外の様子を撮影していると、次の瞬間…。電線から火花が上がります。

 接近する竜巻を心配そうに見守る人も。

 人々を恐怖に陥れた竜巻。少なくとも5棟の住宅が被害を受け、5人が負傷しました。

住民
「竜巻が直撃した時、窓が割れる音が聞こえてバスタブに隠れたんだ。けががなくて良かったよ」

■受刑者が消防士に!?命がけの消火

 一方、アメリカ西部では熱波による猛暑が深刻です。

 異常な暑さが続くカリフォルニア州。6月にもかかわらず、39℃に達した日もあります。

 高熱と乾燥した空気が山火事を発生させます。こうした火災に命を懸けて闘う消防士たち。そのなかには、こんな人たちも…。

受刑者
「僕たちは人生で過ちを犯した。でも失敗から学ぶんだ」

 服役中の受刑者たちです。更生プログラムを利用し、出所後はプロの消防士として働けるようにスキルを学んでいるのです。

 人生を“やり直そう”と奮闘する受刑者たち。

■“東京の1.3倍”が焼失 草原火災

 一方で気候変動は“やり直しがきかない”ところまで来ているのでしょうか。

 ブラジル西部では、今年1月から草原火災が拡大を続けています。世界最大の湿地「パンタナール」をのみ込み、焼失した面積は28万6000ヘクタール。東京都の1.3倍にも及んでいます。

■「記録的洪水」町が水の中に…

 ドイツでは水による被害が深刻化…。

 救助隊員を乗せて進むボート。ここは川ではありません。町の中です。

 ドイツ南東部、オーストリアとの国境に近い町パッサウ。大雨によって、町の中を流れるドナウ川があふれたのです。

河川管理局員
「現在の水位は約10メートル。これでピークでしょう」

 洪水によって、町のあちこちが冠水。歩道だった場所は水の底です。当局は緊急事態を宣言。少なくとも5人の死亡が確認されています。

■世界の気温「2028年までに史上最高へ」

 世界各地で相次ぐ異常気象。今週、世界気象機関はある予測を発表しました。

WMO世界気象機関 コ・バレット副事務局長
「ほぼ9割の確率で2028年までに少なくとも1年は記録上、最も暑い年になるでしょう」

 世界の平均気温が産業革命前と比べて1.5℃以上、上がる可能性が高いとしたうえで、海面上昇などがさらに進むと予測したのです。

■“海面上昇”で島民1300人が移住

 そうしたなか、南米パナマでは住民たちが大きな決断をしました。

 カリブ海に浮かぶ小さな島。この日、島に住む先住民およそ300家族、1351人が島を離れました。

島の住民
「地球温暖化が原因だと気付いて、当局は我々を移住させることにした」

 島の海抜は高いところでも1メートルで、家屋への浸水が常態化していました。島を出た住民たちが向かったのは、森の中に造成された住宅地。

 当局によると、中南米で気候変動を理由に移住が行われるのは初めてだといいます。

移住した島民
「何が恋しいかって?島では何をするにも慣れていたけど、ここではそうもいかない。家はコンクリート製だしね」

 気候変動はこのまま進み、引き返すことのできない転換点を超えてしまうのでしょうか。

WMO世界気象機関 コ・バレット副事務局長
「私たちが知っておかなければならないのは、気温の上昇を反転させること、それを緊急に行う必要があるということ」

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