サッカーワールドカップ(W杯)アジア2次予選の香港-イラン戦で、応援する香港のサポーターら=香港スタジアムで6日、ロイター

 香港警察当局は6日、サッカーワールドカップ(W杯)アジア2次予選の香港―イラン戦で国歌斉唱時に起立しなかったとして香港人サポーター3人を国歌侮辱の疑いで逮捕した。香港メディアが伝えた。1国2制度下にある香港では中国国歌「義勇軍行進曲」を国歌として定めているが、若者らを中心に拒否感を持つ香港人もいる。

 警察の説明では、6日夜に香港スタジアムで行われた試合前の国歌演奏中に男女3人が起立しなかったり、グラウンドに背を向けたりした。3人は会場で観客の様子を監視・撮影していた警察に逮捕された。その後保釈されたが、警察は捜査を続ける。

 香港では、中国主導の締め付けに反発する若者らがサッカーの国際大会などで中国国歌が流れるとブーイングしたり、背を向けたりするケースが相次いでいた。2020年に立法会(議会)が中国国歌に対する侮辱行為を禁止する国歌条例を親中派議員の賛成多数で制定。違反者には最高5万香港ドル(約100万円)や禁錮3年の罰則が科される。【台北・林哲平】

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