米東部ニュージャージー州で演説するトランプ前米大統領=2024年5月11日、AP

 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領の陣営は4日、郵便投票や期日前投票を促すキャンペーンを立ち上げた。トランプ氏は前回の2020年大統領選では郵便投票が「不正の温床になる」と非難していたが、民主党が郵便投票を積極的に促して得票増につなげている状況を踏まえて、今回は姿勢を一転させた。ただ、トランプ氏の支持者には郵便投票への不信感が定着しており、キャンペーンには反発もありそうだ。

 トランプ氏は4日の声明で「共和党は民主党を打ち破るため、あらゆる適当な手段を利用する」と強調。「郵便投票で不正が横行する」としていた過去の言動を意識し、「郵便投票でも期日前投票でも、我々はあなたの票を守る。相手を圧倒することで、不正ができなくするのだ」と訴えた。

 独立政府機関「米選挙支援委員会」によると、新型コロナウイルス禍で行われた20年大統領選では、有権者の約43%が郵便投票を利用した。22年中間選挙では31・9%に下がったが、コロナ禍前の18年中間選挙(25・6%)より多かった。

 最近の選挙では、民主党支持者の方が郵便投票や期日前投票を積極的に活用する傾向が強い。トランプ氏の言動の影響で、共和党支持者に郵便投票への不信感が強まった面もある。共和党全国委員会は23年6月、こうした傾向を変えるため、期日前投票を促すキャンペーンを開始していた。【ワシントン秋山信一】

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