民主化を求める学生らを中国政府が武力で弾圧した天安門事件から35年です。北京、香港、そして台湾で4日に何が行われ、何が行われなかったのかを見てみると、中国当局による統制の強化が浮かび上がります。

■香港も厳戒 追悼集会封じられ

民主化を求める市民を武力で弾圧した中国政府。時代が冷戦終結に向かう流れのなかで、次なる課題を国際社会に突き付けた瞬間。それが、35年前の6月4日に起きた、天安門事件です。

中国政府にとっては、自国民に銃を向けた過去が掘り返されないよう、神経を尖らせる一日。特に香港はここ数年で様変わりしました。

5年前まで毎年行われていた10万人規模の追悼集会は、親中派の物産展にとって代わられました。会場周辺では警察が目が光らせます。

警察
「停止するように警告します。さもないと、あなたを逮捕します」

警告された男性はすぐにポスターを片付けましたが、それでも拘束されました。民主化を求めて命を落とした若者たちをしのぶ場は、もう香港のどこにもありません。

かつて、香港で中国政府が禁じる書籍を販売し、当局に拘束された『銅鑼湾書店』店長・林栄基さん(68)。台湾で、本を介した啓蒙活動を続けています。4日、この店を2人の若者が訪れました。

香港から来た大学生
「私は以前、天安門事件についてあまり知りませんでした。2019年の逃亡犯条例反対デモを通じ、やっと知るようになりました。2020年以降、香港では天安門事件の集会がなくなったので、今年は台湾に来てどんなものか見てみようと思いました。(Q.今の香港をどう思う?)時が止まったような感じです」

初めて参加した追悼集会。何を感じたのでしょうか。

香港から来た大学生
「少し2019年の香港に戻ったような感じがします。香港人を大勢見かけたので、当時の感覚がちょっとします。(Q.その時の感覚は失望?怒り?それとも両方?)両方です。当時を思い出しました。今と5年前はあまり変わってません。この集会で多くの香港人に会うので安心感もあります。みんな『自由』に関心があります。だから(気持ちは)非常に複雑です」

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