インドの総選挙がきょう開票され、モディ首相率いる与党連合が優勢とみられています。急速な経済成長を遂げるインドですが、ひずみも抱えています。
多くの観光客で賑わうタイの動物園、ひときわ目立つのが。
インド人観光客
「俺たちはインド人だ!」
インド人観光客です。
記者
「こちらではゾウのショーが行われていますが、観客席は満員でほとんどがインド人の観光客です」
タイを訪問したインド人は、2014年は90万人でしたが、2023年には160万人に増えました。経済成長による中間所得層の増加などによって、インド人の海外旅行需要は高まっているとみられています。
インド人観光客
「私たちは香港やシンガポールも旅行しました」
「インドの経済はとても良くなっています。モディ首相のおかげです」
2014年に首相となったモディ氏は、外国企業を積極的に誘致するなど、経済発展をけん引してきました。また、国民のほぼ100%にあたる13億人に個人識別番号を付与する「インド版マイナンバーカード」の導入や、デジタル決済の普及によって経済活動は活発になっています。
ニューデリーの市民
「インドのデジタル技術はとても進歩していて、先進国の仲間になることができます」
IМF=国際通貨基金は、インドのGDPがドル換算で来年にも日本を上回ると予想しています。ただ、1人当たりのGDPは日本の10分の1以下。ILO=国際労働機関によると、大卒の若者の失業率は29.1%と、読み書きができない人の実に9倍近くになっていて、深刻な問題となっています。
ニューデリー市民
「不動産など、さまざまな仕事が実際には不況だと思う」
背景にあるのは伸び悩む製造業です。
ジャワハルラール・ネール大学 アミターブ・マトゥ教授
「インドのサービス業は成長しているが、若者の雇用はまだまだ増えていない。政府はインドの製造業をもっと強化しなければならないだろう」
きょうの開票では、与党「インド人民党」を中心とする与党連合が過半数を獲得し、モディ首相が3期目に入る公算が大きくなっています。
人口増加と雇用のひずみを抱えるインド経済は、どこまで改善されるのでしょうか。
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