ロシア国旗=ゲッティ

 ロシア政府は30日、個人所得税の累進課税強化や法人税の引き上げなどを盛り込んだ税制改正案を承認した。タス通信などが報じた。2025年から適用され、増税による同年の国家予算の増収は2兆6000億ルーブル(約4兆5000億円)となる見通し。ウクライナでの「特別軍事作戦」の長期化で国防費が国家財政を圧迫しており、財源不足を補塡(ほてん)したい狙いがあるとみられる。

 個人所得税を巡っては、01年に一律13%となり、21年に年収500万ルーブルを超える場合は15%とする2段階の累進課税を導入した。タス通信によると、今回の税制改正案では年収によって5段階(13~22%)の税率を設け、年収が240万ルーブル未満の場合は13%に据え置き、それ以上の場合に所得に応じて増税。年収が5000万ルーブルを超える場合は22%が課税される。また、法人税は20%から25%に引き上げる。

 プーチン大統領は2月末に行った連邦議会での演説で、「高い所得の個人や企業がより公平に税を負担する取り組みを検討するよう提案したい」と述べていた。税制改正案は今後、議会の審議などを経て成立する。【モスクワ山衛守剛】

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