加熱式たばこの持ち込み禁止を知らせる台湾政府の資料

 台湾では全面的に使用が禁止されている加熱式たばこや電子たばこの海外からの持ち込みが相次ぎ、台湾当局は警戒を強めている。違反すれば最高500万台湾ドル(約2400万円)の罰金だが、若者を中心にこっそりと吸い続ける人もいる。中には僧侶の姿に変装し、日本から大量のたばこのカートリッジを持ち込もうとして空港で摘発されるケースも現れた。

 台湾政府は2023年3月に施行した改正たばこ被害防止法で、加熱式や電子式のたばこが健康に被害を与えるとして、使用や製造、台湾への持ち込みなどを禁止した。台湾の空港や港に到着した旅行客が荷物の中に持っている場合には税関で申告して放棄する必要があり、申告せずに見つかれば罰金の対象となる。台湾当局によると、改正法施行後の3カ月で69件の違法な持ち込みを確認した。

 だが従来の紙たばこに比べて気軽なイメージを持たれがちで、ほしがる若者らもいるのが実情だ。

 台湾メディアによると、26日に台北近郊の桃園空港の税関職員が、成田空港から到着した男女3人組のスーツケースの中から560個の加熱式たばこのカートリッジを発見、押収した。

 3人は成田空港の免税店で大量のカートリッジを購入。搭乗待合室でスーツケースに詰め替えていたが、うち1人はけさをまとい、頭をそり上げた日本の僧侶のような格好だった。同じ飛行機に乗る客が不審に思って写真を撮影し、台北到着後に税関に通報した。「僧侶に変装すれば税関で警戒されないと思ったのでは」(関係者)とみられている。【台北・林哲平】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。