ロイター通信は28日、イスラエル軍の戦車数台が、パレスチナ自治区ガザ地区南部ラファの中心部に到達したと報じた。住宅密集地にあるモスク(イスラム教礼拝所)周辺で戦車が目撃されたという。またイスラエルメディアは28日、軍がラファで部隊を増強したと報じた。
ラファ中心部でまだ戦闘は起きていないが、軍は大規模侵攻への準備を整え、イスラム組織ハマスに圧力をかけているとみられる。
一方、ガザの保健当局は28日、ラファ北西部でイスラエル軍の空爆があり、21人が死亡したと発表した。攻撃されたのは避難場所に指定されているマワシ地区だという。ただ、軍は「(マワシ地区では)空爆をしていない」と否定している。
イスラエルのハネグビ国家安全保障顧問は29日、ハマスとの戦闘について「少なくとも2024年中は続くだろう」と語った。地元メディアへの発言をロイターが伝えた。また今回の戦闘では、ガザとエジプトの境界に設けられた「緩衝地帯」の75%をイスラエル側が掌握したと述べ、エジプト側からの武器密輸に対処すると強調した。
イスラエル軍は26日夜、ラファ北西部にある別の避難民が集まる地域を空爆し、45人が死亡した。ラファを巡っては、国際司法裁判所が24日、即時の攻撃停止を求める暫定措置命令を出しているが、軍は履行していない。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は28日、イスラエル軍のラファ侵攻を受け、過去3週間でラファから約100万人の住民が避難を余儀なくされたと発表した。【エルサレム松岡大地】
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