イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区最南部ラファ空爆について、バイデン米政権は、イスラエルへの一部の兵器供給を停止する条件としてきた「レッドライン」を越えていないかどうか精査している。米ニュースサイト「アクシオス」が27日、米政府関係者の話として報じた。
バイデン政権は一貫して、多数の市民が犠牲になりかねないラファでの大規模な攻撃に反対してきた。バイデン氏は8日の米CNNとのインタビューで、ラファの人口密集地への攻撃が「レッドライン」になると説明。イスラエルはその後ラファでの攻撃範囲を徐々に拡大してきたが、米政権はこれまで「レッドラインは越えていない」との認識を示している。
米国内ではイスラエルへの支持を訴える声が党派を超えて根強い。一方でガザ人道危機の深刻化に伴い、若者を中心にイスラエルの後ろ盾となってきた政権への批判が強まっている。
仮にバイデン政権が今回の空爆は「レッドラインを越えた」と判断すれば、兵器支援を停止することになり、イスラエル支持派の反発は必至だ。ただ「レッドラインは越えていない」との見方を示したとしても、今度はイスラエルに批判的な若者や与党・民主党の一部からの風当たりが一層強まるとみられ、バイデン氏は難しい対応を迫られている。【ワシントン松井聡】
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