新たな総統が就任した台湾では国会に相当する立法院で、議会の改革法案をめぐり、与野党の対立が激化しています。こうした中、40を超える市民団体が立法院を取り囲むなど混乱が広がっています。

最大野党・国民党と民衆党が立法院の権限強化を目的に提出した法案には、答弁者の反問などを禁じる「議会侮辱罪」を刑法に加えることや、総統に対し、定期的に立法院での報告と質疑に応じることを求める内容が盛り込まれています。

国民党と民衆党が強行採決しようとしたため、与党・民進党と衝突し、17日には乱闘も起き、立法委員6人がけがをしました。

さらに民進党は法案について、「審議が不十分」だとして議事日程の先送りを求めましたが、民進党は現在、過半数割れとなっていて、過半数を上回る野党側に反対され否決。

逆に野党側は会期を延長するよう求め、賛成多数で可決されました。

こうした中、夜にはおよそ40の市民団体が野党側への抗議のため、立法院を取り囲みました。

台湾メディアによると、最大3万人の人が参加したということです。

20日に就任したばかりの民進党の頼清徳新総統ですが、議会では主導権を野党に握られ、厳しいスタートとなりそうです。

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