バイデン米大統領(民主党)は16日、自宅に副大統領在任時(2009~17年)の機密文書を持ち出した事件を巡り、特別検察官の事情聴取に任意で応じた際の録音を連邦議会に開示することを拒否した。司法省が「将来の捜査で、政府当局者の協力が得にくくなる」とホワイトハウスに懸念を伝え、バイデン氏が大統領特権に基づいて録音を保護対象とした。
聴取記録は既に文書では公表されている。特別検察官は聴取時の様子について「バイデン氏の記憶力は著しく低下しているようだった」と指摘しており、11月に大統領選を控えるバイデン氏が印象悪化を懸念して音声開示を嫌った面もある。一方、共和党には音声を開示させることで「高齢不安」をあおる政治的な狙いがあった。
バイデン氏の開示拒否を受けて、共和党が多数派の下院司法委員会は16日、ガーランド司法長官を議会侮辱容疑で訴追するよう勧告する案を可決。下院本会議で採決が行われる見通しになった。【ワシントン秋山信一】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。