水原一平容疑者=ソウルで3月20日、AP

 米紙ニューヨーク・タイムズは13日、大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の元通訳で、銀行詐欺容疑で訴追された水原一平容疑者(39)が、自身が負った違法なブックメーカー(賭け屋)への借金の返済について、大谷選手に口裏合わせを頼んでいたと報じた。

 水原容疑者は3月20日、韓国ソウルで行われた今季開幕戦の試合後のチームミーティングで、自身は「ギャンブル依存症」だと告白。大谷選手が賭け屋への借金を肩代わりしたと説明した。ミーティングには大谷選手もいたが、水原容疑者の説明を完全には理解できなかったとされる。

 同紙によると、数時間後の深夜、大谷選手は滞在先のホテルの地下にある会議室に水原容疑者を呼び出した。その際、水原容疑者は賭け屋に巨額の借金があり、これを返済するため大谷選手の金を盗んだと打ち明けた。さらに、水原容疑者はその場で大谷選手に「借金の肩代わりをした」と口裏を合わせてもらうよう依頼したという。大谷選手はこれを拒否し、代理人を呼んで、改めて水原容疑者と協議したという。協議の場には水原容疑者の妻もいたとされる。

 米司法省は11日、賭け屋への借金を返済するため、大谷選手の銀行口座から不正に1600万ドル(約24億5000万円)以上を送金したとして水原容疑者を訴追した。捜査担当者は「大谷選手は事件の被害者だった」と説明している。【ニューヨーク中村聡也】

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