昨年実施されたオンライン見学フェアの様子=NPO法人チャイボラ提供

 虐待などさまざまな事情を抱えた児童らが暮らす社会的養護施設の職員確保のため、NPO法人が児童養護施設など全国107施設を対象に無料のオンライン見学会を実施する。

 主催するのは施設の職員確保のため求人などの情報サイトを運営するNPO法人「チャイボラ」(東京都)。こども家庭庁によると、保護者のいない児童や被虐待児らを公的な責任で養育する「社会的養護」の対象児は、23年時点で約4万2000人。養育場所は児童養護施設が610カ所と半数以上で、里親、乳児院などが多い。

 チャイボラの大山遥代表理事(39)によると、職員1人で15人ほどの子どもを見る時間が大半を占める施設もあるといい、長年職員の確保や定着が全国的な課題となってきた。だが広報担当を置く余裕のない施設も多く、求職者でも施設とつながる機会が少ないのが現状だった。

 そのため、少しでも興味のある人に気軽に参加してもらおうと、オンライン見学会を開催することにした。見学会は、チャイボラの職員が施設の職員と一緒に魅力などアピールポイントを考え、写真や動画で分かりやすく説明する。大山さんは「施設の強みや、若手職員の声なども実際に聞ける。全国規模の見学会はここだけなので、ぜひ参加してもらいたい」と話している。

 見学会は18日に近畿・中国・四国、19日に関東・甲信越と東京の施設を対象に開催される。詳しくはHP(https://event.chabonavi.jp/fair)、問い合わせはメール(info@chaibora.org)で。【芝村侑美】

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