日本語、トルコ語、クルド語で「公園内で、夜に大きな声や音を出してはいけません」「ごみはきちんと持ち帰りましょう」と呼びかける看板=埼玉県川口市

難民認定申請中で入管施設への収容を一時的に解かれた不法滞在状態の「仮放免者」が、埼玉県川口市内に700人程度いることが13日、出入国在留管理庁のまとめで分かった。大半はトルコの少数民族クルド人とみられる。

仮放免者の情報はこれまで、本人が希望しない場合は当該自治体へ通知されず、自治体にとって実態把握が困難だった。このため、自治体から要請があれば入管庁から仮放免者の情報が提供されるよう、入管難民法の運用を見直した。

また、6月10日施行の改正入管難民法では、仮放免者に「仮放免許可書」の携帯を新たに義務づけ。携帯しやすいよう、許可書の大きさを従来のA4判からカード大のサイズに変更するという。

川口市内では近年、クルド人と地元住民らの軋轢が表面化している。この日、市内で国会議員らが「一部の外国人による迷惑行為のある地区」を視察。その後に市や市議、入管庁との意見交換会が開かれ、終了後に参加者らが報道陣に明らかにした。

入管庁によると、仮放免者数は日々変動するが、直近では川口市内に約700人おり、大半はトルコ国籍という。同市内にはトルコ国籍の正規の在留者が約1300人おり、トルコ人も含め、合わせて約2千人となる。

強制退去処分が出ながら送還を拒む不法滞在状態の「送還忌避者」は、令和3年末時点で3224人。このうち半数にあたる1629人は難民申請中で送還が停止されていた。送還忌避者は4年末時点では4233人まで増えた。

改正法施行後は、難民認定申請中の強制送還停止が原則2回までに制限され、仮放免者の数も減ることが想定されている。

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