「アンネの日記」で知られ、ナチス・ドイツによる迫害の犠牲となったユダヤ人少女、アンネ・フランク(1929~45年)にちなむ「アンネのバラ」が、愛媛県今治市の聖イエス会カルバリイ教会で満開を迎えている。
バラはベルギーの園芸家が作出。アンネの父でホロコーストから生還したオットー・フランク氏(1889~1980年)が1972年に日本へ送った。同教会には2010年、広島県福山市のホロコースト記念館が8株を贈呈し、その後の株分けで50株に増えた。大ぶりの花は咲き始めの淡いオレンジ色からクリーム、ピンク色と次第に色を変え、見ごろを迎えている。
オットー氏は戦後、「時代や人種を問わない普遍的なもの」としてアンネの日記の出版に尽くした。同教会の渡部亮一牧師(50)は「平和をつくり出すことの大切さを訴えたアンネやオットー氏の思いに触れてもらいたい」と話す。教会のフェイスブックで開花の模様を伝えている。【松倉展人】
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