毎日新聞大阪本社版の「近藤流健康川柳」選者を務めた毎日新聞客員編集委員、近藤勝重(こんどう・かつしげ)さんが10日、膿胸(のうきょう)のため死去した。79歳。葬儀は近親者で営む。喪主は長男圭(けい)さん。
1969年毎日新聞社入社。論説委員、「サンデー毎日」編集長、夕刊編集長などを歴任した。
健康川柳は2007年4月から連日掲載。キャッチフレーズは「1日1句医者いらず」で、近藤さん出演のMBSラジオの番組「しあわせの五・七・五」との共催企画だった。毎年、大阪市で開かれた「健康川柳の集い」は読者、リスナーが多数参加した。
ジャーナリストの鳥越俊太郎さん(84)は、毎日新聞大阪社会部で後輩だった近藤さんを「こんちゃん」と呼んでかわいがったという。何事にも粘り強く探究する姿勢を評価し、大阪府警捜査2課担当の後任に指名。「当時はもっと笑ったらいいのにと思うくらい仕事に打ち込んでいた。先輩におもねることはなく、数々の役職を務められたのは彼の実力」と振り返った。
作家の桜木紫乃さんは13年の直木賞受賞後、毎日新聞紙上で近藤さんと対談したのが縁で、交流が続いていた。「藤沢周平さんや吉行淳之介さんの表現を例に文章についてのアドバイスをいただき、私は『師匠』と呼んでいた。新刊が出るたびに『今回もうまいこと書いとるな』などと、必ず感想の電話をくれた。今月になって電話がつながらないので、どうしたのかなと思っていたが……。まだ亡くなったのが現実とは思えない」としのんだ。【有本忠浩、洪玟香、花牟礼紀仁】
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