大型スーパーなどを展開するベイシアグループと三井住友海上火災保険(東京都)、東芝デジタルソリューションズ(神奈川県川崎市)が、降ひょう被害が多い群馬県内で車の被害軽減に向けた実証実験を始める。新たに開発した車を覆う「降ひょう対策グッズ」を17日から2万セット配布。効果を検証するとともに、被害軽減を図る。【増田勝彦】
三井住友海上と東芝デジタルソリューションズは2023年、積乱雲内の粒子の状態から降ひょうを予測し、被害が予測される地域にアラートを配信する実証実験を行い、有用性を確認したという。この結果を受け、降ひょう対策グッズによる車の被害の防止・軽減の実験することにした。
県南部では22、23年に降ひょうにより、車の前面ガラスが割れたり、ボンネットやルーフがへこんだりするなどの被害が多数出た。三井住友海上だけで、23年に約1万件の保険金請求があったという。
対策グッズはベイシアグループでカー用品を扱うオートアールズ(埼玉県)が開発した。乗用車のボンネット用、前面ガラス・ルーフ用の2種類で、降ひょうアラームを受信したら、車を覆って、降ひょうのダメージを軽減する。
対象は県内に住む三井住友海上の自動車保険契約者(個人)で、同社などが提供する降ひょうアラートをSNS(ネット交流サービス)で受信できる人。
対策グッズは17日から、高崎、前橋、伊勢崎エリアのベイシア、カインズ、ベイシア電器、オートアールズ店舗で、三井住友海上の保険加入を確認して無料で配布する。先着2万セット。
三井住友海上の担当者は「効果的な実回避行動に関するノウハウを蓄積することで、同様の課題を抱える全国の地域へ、さまざまなソリューションの提供を進めていきたい」と話している。
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