被害総額はおよそ250万円。突然スマートフォンが乗っ取られました。犯罪に使われたのは偽造マイナンバーカード。あなたも狙われているかもしれません。
■偽造マイナカードでスマホ乗っ取り被害
スマホはある日突然、乗っ取られました。
大阪府八尾市 自民党 松田憲幸市議「『どういうこと?!』それがもう率直に、意味がわからなかった」 この記事の写真は12枚
先月、スマホの電波が突然つながらなくなったのは、大阪・八尾市の松田憲幸市議。商業施設内の携帯ショップに駆け込むと、衝撃の事実が…
松田憲幸市議「『先月30日午後3時に、機種変更を名古屋の柴田店でしてますよ』と言われて」
身に覚えのない名古屋での機種変更。店員に事情を聴くと…
松田憲幸市議「『どうやって身分確認したんですか?』というと『マイナンバーカードを提示されました』と 。名前と住所と生年月日が合っている私のマイナンバーで、写真の人が別の人」
別人が偽造マイナンバーカードで松田さんになりすまし、スマホを勝手に機種変更し、 乗っ取っていたのです。
さらには、合わせておよそ242万円の被害も発覚…
松田憲幸市議「PayPayのチャージ5万円されていたり、ソフトバンクカード12万円チャージをして使われている形跡。これが店頭受け取りっていうので終わってるんですけど、225万円のロレックスが注文されてたと」
松田さんのキャッシュレス決済のアカウントなども不正に使われていました。これだけではありません。
東京都 立憲民主党 風間ゆたか都議「もう完全に偽造のもので、やられたなというふうに感じましたね」
東京都の風間ゆたか議員も、先月、勝手に機種変更され、スマホにひも付けられていたカード情報を使われる被害に。
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■乗っ取り被害急増 犯人の手口は■乗っ取り被害急増 犯人の手口は
犯人はどんな手口を使ったのでしょうか?
ITジャーナリスト 三上洋氏「SIMカードをなりすまして再発行されたという事件だと思われます」
契約者情報や電話番号が入ったSIMカード。専門家は、犯人は「SIMカードの入ったスマホをなくした」と伝えて、スマホを乗っ取った可能性が高いといいます。
三上洋氏「(紛失したSIMカードを)再発行する場合に、必ず携帯電話会社側では本人確認をします。ところが今回は犯罪グループ側が、本人確認に使うマイナンバーカードをなりすましで偽造したと思われる。本人がスマホが使えなくなる、犯人側に完全にスマホの契約が移ってしまっている状態」
犯人は、こうして、被害者契約の電話番号とひも付いたスマホを入手。
三上洋氏「キャッシュレス決済では、電話番号とパスワードでログインできるものがある。電話番号は犯人側が握っている。パスワードは、犯人側はわからないが電話番号のショートメールでリセットできる。これによって、キャッシュレス決済のアカウントを乗っ取ることができてしまう。こうなると、キャッシュレス決済やネットバンキング、ネットショッピングが自由にできる可能性が高くなる」
さらに、元警視庁公安部の捜査員は、マイナンバーカードならではの“落とし穴”もあると指摘します。
日本インテリジェンス協会 稲村悠 代表理事「ショップの店頭の人としては、触り慣れた運転免許証の確認というのはしやすい。マイナンバーカードは今、普及している最中なので、偽物かどうか見抜くような技術が店頭担当者に培われていないのでは。犯罪集団であればマイナンバーカードを使用した方が成功率が上がるのではと思う」
ソフトバンクは「最新の詐欺の手口に対応した強化対策を順次導入していきます」と説明しています。
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