水俣病の患者・被害者らが1日に伊藤信太郎環境相と懇談した際、環境省職員が被害者側のマイクの音を発言中に切った問題で、伊藤環境相は8日午後、熊本県水俣市で患者団体の関係者と面会し、直接謝罪した。伊藤環境相は「心からおわび申し上げたい。今日はその謝罪に参った。今回のことを深く反省し、環境省全体として皆さまのお気持ちに沿えるよう環境行政を進めていくことを約束する」と述べ、深々と頭を下げた。
懇談は、水俣病公式確認から68年となった1日、慰霊式の後に水俣市内で開かれた。八つの団体の代表がそれぞれ3分間の持ち時間で国への要望を述べていた中、持ち時間を超過した団体の発言中に、司会役の職員がマイクの音を切った。
環境省特殊疾病対策室によると、持ち時間を超えた場合にマイク音を切るという方針を事前に決めていたという。
伊藤環境相は8日昼、東京都内で報道陣の取材に「マイクを切ったことは大変遺憾であり、申し訳ない。深くおわび申し上げる」と述べ、その後、水俣市を訪れた。
熊本県の木村敬知事は伊藤環境相の水俣訪問に先立ち、コメントを発表。「このような事態になったことは大変残念。(懇談が)実りある場となるよう、環境省において運営の改善をお願いしたい」とする一方で、「国会審議のさなか、環境相が水俣市にお越しになり、直接謝罪されるとうかがっており、大臣が水俣病問題に真摯(しんし)に向き合っておられることの表れであると受け止めている」とした。【西貴晴、中村敦茂、山口桂子、山口智】
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