車椅子に乗って踊るギリヤーク尼ケ崎さん=京都市東山区の円山公園で2024年5月3日午後2時8分、中山和弘さん撮影
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 「情念の踊り」で観衆を魅了し、世界平和を祈り続けてきた大道芸人、ギリヤーク尼ケ崎さん(93)の「芸歴55周年記念京都公演」が3日、京都市東山区の円山公園であった。

 パーキンソン病、脊椎(せきつい)管狭さく症などの持病があるギリヤークさんは、補佐役の大道芸人・写真家の紀(きの)あささんが押す車椅子に乗って登場。集まった約400人の観衆の前で創作舞踊3作を演じた。最終演目の「念仏じょんがら」では、大きな数珠を手に持って振り回し、地面に座り込みながらも水をかぶる定番のパフォーマンスも披露。「日本一」などと盛んに声援を受け、最後に亡母の遺影を手に「かあさーん」と叫ぶと「胸がいっぱいになった」と涙ぐむ観客もいた。

 ギリヤークさんはパーキンソン病の悪化で足の指の痛みが激しく「立ち上がれたら、それが見どころ」と紀さんに紹介され、言葉は不明瞭だったが「好きな大道芸の道へ進ませてくれた、父母に感謝している」などとあいさつした。公演後は多くの観衆と握手を交わしながら「来年も来てください」と激励を受けていた。【矢倉健次】

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