■水俣病患者の訴え 環境省が“音絞る”

 問題は環境大臣と水俣病の患者や被害者団体の懇談で発生しました。

伊藤環境大臣
「皆さまの話をうかがえる重要な機会だと考えています」

 懇談には8つの団体が参加。そして、各団体に与えられた時間は…。

環境省職員
「1団体3分程度で発言を順番にお願いしたいと思います」

 ところが、まだ3分経たないうちに…。

水俣病被害者市民の会 山下善寛代表
「水俣病被害の深さ広さを究め尽くしていない。チッソは患者に対する責任…」

環境省職員
「話をおまとめ下さい」

水俣病被害者市民の会 山下善寛代表
「もうすぐ終わりますので。2014年3月に出された…」

環境省職員
「お話をおまとめに」

水俣病被害者市民の会 山下善寛代表
「これは最高裁判決に違反するし…3分あるんでしょ」

環境省職員
「はい、3分経っています」

 最後はマイクなしに地声で話しました。さらに…。

水俣病患者連合 松崎重光副会長
「(妻は)去年の4月に『痛いよ痛いよ』と言いながら死んでいきました」

 別の参加者が水俣病と認められずに亡くなった妻への思いを語るなか…。

水俣病患者連合 松崎重光副会長
「会社が水銀を垂れ流さなければこういうことにはならなかったと、私はいつも家内と話していました」

環境省職員
「話をおまとめ下さい」

 声が急に聞こえなくなりました。

参加者
「切られている。スイッチ切られている」
「本当に水俣の被害者のことを考えているならしゃべらせてやればいいのに」
「聞いてやれーな大臣」

 隣の団体が自分たちの時間を譲ると、マイクの音量は戻りました。

参加者
「話を聞くって言って出てきた」
「入った、入った」

 なぜ話の途中でマイクが切れたのでしょう。

参加者
「マイクの音量の調整をしたのかどうかだけ確認させて下さい」

環境省職員
「不手際でございました。事務局の不手際でございました。申し訳ございません」

参加者
「不手際ということはやったということだね。音量を絞ったということだね」

環境省職員
「事務局の不手際でございました。申し訳ございません」

 話を聞く重要な機会だと話していた伊藤大臣は…。

参加者
「マイクを切ったことについてどう思われます?」

伊藤環境大臣
「私はマイクを切ったことについて認識していません」

 その場で一部始終を見ていたものの分からなかったということです。

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