絶好の行楽日和となったゴールデンウィーク後半戦。オーバーツーリズムに頭を悩ませる神奈川県鎌倉市では、3日から独自の対策に乗り出しています。
■GW後半戦 行楽日和で大混雑
列島に夏の足音が聞こえてきます。
観光客
「本州一早い海開き。白浜、最高です」
青い空と見渡す限り続くビーチ。和歌山県白浜町は本州で一番早い「海開き」です。
観光客
「寒くない。いや、やっぱり寒い」
とはいえ、3日の気温は21℃。併設された“温泉”もにぎわいます。
観光客
「海水浴場の横に温泉、素晴らしい。マグロもほぐれる」
ゴールデンウィークも後半戦。高速道路も下りは長い車の列です。早朝に中央道の下りで40キロ近い渋滞になりました。
新幹線の下りも3日に混雑のピークを迎えています。
名古屋への観光客
「ホームに来るのに10分くらいかかった。すごく人がたくさんいた」
ここも乗り物に長い列です。
5日ぶりの夏日となり、すでに日焼け対策が必要な鳥取砂丘。広大な砂漠も人、人、人です。
観光客
「ディズニーランドよりは空いているかな」
福岡県には祭ばやしの音が響きます。ゴールデンウィーク中では日本最大級の祭りと言われる「博多どんたく」。期間中、200万人が訪れる見込みです。
観光客
「いっぱい人がいたりして楽しい」
■円安が拍車 混雑解消に“朝観光”
京都市も大変なことになっています。京都駅前のバス停。まるで通勤ラッシュのような光景です。
神奈川から来た人
「とにかく高いので海外は。行くのも高いし」
チリから来た人
「今は円安で私たちにとってはチャンスです」
ゴールデンウィークに円安も拍車を掛け、海外や国内からの観光客でにぎわいます。オーバーツーリズム解消に向け、自治体は対策を練っています。
京都市のランドマークである「東寺」。静かに楽しむ方法も。京都市も推奨する“朝観光”。東寺は午前5時から開門しているため、早く行けば混雑を避けることができます。
広島から来た人
「もうちょっと人がいると思ったけど、少なくてラッキー」
岐阜から来た人
「早く来て良かった」
■GWの鎌倉 大混雑で「観光公害」
一方、山と海に囲まれた東の古都・鎌倉市も3日、新たな秘策が始まります。東京駅から1時間弱、関東の人がフラッと来られるのも魅力の鎌倉市。
しかし、近年は外国人観光客も多く、国内外からの観光客が集中し、地域住民の生活に影響が出る「オーバーツーリズム」の問題が深刻化しています。
コロナ禍の2021年度は約650万人まで落ち込んだ観光客が2022年度は1200万人近くまで戻りました。特に江ノ電はゴールデンウィーク期間中、乗るだけでも一苦労です。
駅員
「もうちょっと詰めてもらえますか、中」
県内から来た人
「江ノ電どうせなら乗りたい。びっくりしましたね、こんなに混んでるとは…」
江ノ電は地域住民の足でもあります。
■大混雑の鎌倉 移動は「徒歩」で
今年のゴールデンウィーク、鎌倉市では3日から混雑緩和のための実証実験が行われています。その内容は「歩くこと」。
“あじさい寺”として知られる「長谷寺」や「鎌倉大仏」に向かう鎌倉から長谷駅間。特に混雑するこの区間、商店街を散策するコースや自然の中を歩くコースを案内し、徒歩での移動を促す取り組みです。
誘導員が配るのは寄り道の情報も載ったルートマップです。
観光客
「ノープランだけど、せっかくこれをもらったのでこれを参考にしてこのルートで歩いて、良い店があったら入ってみようかなと」
初めてイタリアから来たロレンツォさんとマウリツィオさんの2人も徒歩移動に挑戦です。
イタリアから来たマウリツィオさん
「法を破り、警察沙汰になることも」
そんな2人の心を奪ったのは日本が誇る宝石でした。
■イタリア人も参加 鎌倉“魅力と課題”
ゴールデンウィークの古都・鎌倉市で行われた混雑を緩和するための実証実験。イタリアからの観光客も鎌倉駅から“歩いて”「長谷寺」を目指します。
2人は主に商店街などを通る道を選択。
イタリアから来たマウリツィオさん
「歩くのは好きだから」
イタリアから来たロレンツォさん
「安いしね」
実はこの2人、イタリアのサッカーリーグ・セリエAのチームスタッフだといいます。
イタリアから来たロレンツォさん
「歩くことで、その地域をたっぷり見ることができる。電車で行くよりね」
「オーバーツーリズム対策」に寛容な2人。背景にはイタリア人ならではの考え方が…。
イタリアから来たロレンツォさん
「フィレンツェやローマ、ベネチアもすごく混んでいるよ」
イタリアから来たマウリツィオさん
「観光客が規制を守らない時もある。写真やビデオを撮って法を破り、警察沙汰になることも」
観光大国イタリアも抱える問題は同じです。
イタリアから来たロレンツォさん
「(イタリアは)道路事情があまりよくないから、坂も多いしね。日本の方が目的地に簡単に着ける。時間はかかるけどね」
約30分後、無事に「長谷寺」に到着。ニシキゴイに興味津々です。
地元の人も期待を寄せています。
地元住民
「ゆっくり見て回れるからいいんじゃないですかね。そうじゃないと皆、決まりきったところしか行かない」
その一方で、不安も感じていました。
地元住民
「(一部の人が)モラルが低すぎますね。ごみを散らかす、食べ歩きは最たるものだと思います」
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