ベイリーをなでる清武琳さん(右)=横浜市南区の神奈川県立こども医療センターで2019年12月13日午後、篠口純子撮影

 第15回子どもノンフィクション文学賞(北九州市主催)中学生の部で、東福岡高1年(受賞時は東福岡自彊館(じきょうかん)中3年)の清武琳(りん)(15)さんが、選考委員特別賞を受賞した。選考した作家で俳優のリリー・フランキーさんは「映画の原作になりそうな作品」と講評している。

 清武さんの受賞作は、難病の子どもたちに寄り添うファシリティードッグの導入のための活動を記した「ありがとう、ベイリー」。

 清武さんは生まれつき背骨が左右に曲がる脊柱(せきちゅう)側湾症がある。重い病気のため、これまで18回の手術を受け、術前は恐怖や緊張で涙が止まらなくなることもあるという。日本で初めてのファシリティードッグ「ベイリー」を新聞で知ったのは、2018年の小学4年の時。子どもたちに寄り添って励まし、笑顔にするベイリーにすぐ夢中になった。

ベイリーとアニーと近くの公園を散歩する清武琳さん(右)=横浜市保土ケ谷区で2019年12月13日午後、篠口純子撮影

 手術を受ける病院でファシリティードッグを導入してもらおうと、院長に手紙を書くなど自ら行動を起こした。そうした体験をまとめた手記が19年の「いっしょに読もう!新聞コンクール」で最優秀賞に選ばれ、ベイリーと念願の対面も果たした。作品には、病気と闘う仲間たちのためにも「多くの人にファシリティードッグを知ってほしい」と活動を続ける姿が描かれている。

 清武さんは「特に病院の人たちや、病気の子どもが家族にいる人に読んでもらいたい」と語る。将来は麻酔科医になり、ベイリーの後輩犬と一緒に働くという夢を描く。

 受賞作は北九州市立文学館のホームページで読むことができる。【山崎あずさ】

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