船に載せられ、運ばれるマッコウクジラ。この後沈められた=紀伊水道沖で2023年1月19日午後2時35分、本社ヘリから

 2023年1月に大阪湾で死んだマッコウクジラの処理を巡り、大阪市が当初試算の倍以上の金額で海運業者と随意契約した問題を受け、大阪港湾局は3日、調査結果を発表した。契約業務に関わる職員27人について、相手方からの贈答品の受領や会食など内規(公正契約職務執行マニュアル)に違反するなどの不適切な行為が計29件あったとした。

 市入札等監視委員会が6月、契約交渉中に港湾局職員が海運業者と会食した問題を指摘。他にも問題がないか調査を求め、港湾局が8~9月、402人に聞き取り調査した。

 局長級や部長級を含む職員ら27人が22年4月から今年7月にかけ、業者からお菓子やタオル、カレンダーを受け取ったり、懇親会に参加したりしていた。

 会食やパーティーは17件あり、祝賀会や新年会、市主催イベントの参加者との懇親会などが判明し、職員の自己負担だけでなく主催者が費用を負担する事例もあった。

 また、港湾局は3日、クジラなどが大阪湾に迷い込むことを想定した対策マニュアルを公表した。発見から死骸の処理後までの手順を明確にした。

 大阪湾で死んだクジラは、海運業者が紀伊水道まで船で運んで沈めたが、処理費用は当初の想定を大きく超える8019万円で随意契約していた。

 マニュアルでは、死骸の処理方法について埋却、焼却、他海域への移動・排除の三つを列挙。知事や市長に報告した上で処理方法を決めるとし、事前に業者に見積もりを依頼することなどを盛り込んだ。【鈴木拓也】

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