空襲で殉職した10人の冥福を祈る人たち。慰霊碑(右手前)には10人の名前と年齢が刻まれている=愛媛県今治市で2024年4月26日、松倉展人撮影

 「世界が79年前の状況に決して戻ることなく、一刻も早い平和を」――。愛媛県今治市で26日、1945(昭和20)年4月26日朝の今治空襲で電話交換業務中に殉職した今治郵便局(当時)の女性職員10人の慰霊祭があった。参列者は追悼の思いとともに、平和への祈りを新たにした。

 太平洋戦争末期のこの日、いったん出された空襲警報が解除され、今治郵便局では職員29人が電話交換の業務に就いていた。そこに米軍のB29爆撃機が落とした250キロ爆弾が直撃し、16~21歳の10人が犠牲となった。

 慰霊祭を行ったNTT四国支店(松山市)の木田愛希子事業推進室長は、ロシアによるウクライナ侵攻や、パレスチナ自治区ガザで続く戦闘を挙げ「世界は平和とはほど遠い状況にあるが、一刻も早く現在の状況が改善することを強く望みます」とあいさつ。黙とうに続いて参列者が次々と焼香し、手を合わせた。

 同支店などは空襲から80年となる2025年以降も慰霊祭を続け、戦争の悲惨さを語り継ぐことにしている。【松倉展人】

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