船の衝突事故があった現場周辺。左は笠戸大橋=山口県下松市で2024年11月17日午後0時半、本社ヘリから

 17日午前5時35分ごろ、山口県下松市の笠戸湾で、小型タグボート「第38住吉丸」(19トン)とプレジャーボート「汽船弥生」(1・6トン)が衝突した。徳山海上保安部によると、プレジャーボートに乗っていた20~40代の男女4人が海に投げ出されるなどし、そのうち男女3人の死亡が確認された。プレジャーボートは衝突後に沈没した。

 亡くなったのは、プレジャーボートの所有者で山口県岩国市に住む藤井卓弥さん(41)▽藤井さんの妻枝里子さん(39)▽下松市の山下智也さん(49)――の3人。同県周南市の男性(28)は衝突後すぐに救助され、手足に擦り傷を負ったが、軽傷だという。

山口県下松市の現場

 徳山海保によると、現場は下松市の笠戸島瀬戸岬から北に約300メートルの笠戸湾内。プレジャーボートは17日午前5時半ごろに周南市の居守漁港を出て、沖の釣り場に向かっていた。住吉丸は広島県尾道市の「住吉汽船」所属。住吉丸がえい航していた台船(全長60メートル)か、えい航のためのロープにプレジャーボートが衝突した可能性があるという。住吉丸に乗っていた男性船長(51)ら2人にけがはなかった。業務上過失致死や業務上過失往来危険の疑いで男性船長から任意で事情を聴いている。

 当時、下松市には濃霧注意報が発表されていたが、海上はほぼ無風で波のうねりもなく、視界は4~10キロと悪くはなかったという。【小澤優奈、峰下喜之】

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