雪崩が発生し、山肌が見える北アルプスの針ノ木雪渓上部=長野県警提供

 長野県警は、大型連休を中心に多くの登山客が予想されるとして、春山シーズン(4~6月)の遭難防止対策をまとめた。今春は雨が多く、雪崩発生の危険性が高まっているといい、県警山岳遭難救助隊は「想像を超える規模で雪崩が起きる可能性もある。注意してほしい」と呼び掛けている。

 今年1~4月21日の山岳遭難は56件(前年比2件増)発生し、64人(前年比1人増)が遭難。うち11人(同1人増)が死亡・行方不明となった。2023年の春山シーズンは48件発生し、7人が死亡。大型連休中は18件で、4人が死亡した。

 25日現在の積雪量は北アルプス後立山連峰・八方池山荘50~100センチ(平年並み)▽同穂高連峰・西穂山荘160センチ(平年より少なめ)▽八ケ岳連峰・黒百合ヒュッテ20センチ(同)▽中央アルプス・ホテル千畳敷280センチ(同)。

 県警は大型連休中、山岳遭難救助隊を槍穂高連峰涸沢に常駐させ、後立山連峰や八ケ岳連峰、中央アルプスなどの高山ではパトロールを実施する。また山菜採りシーズンでもあり、里山でも警戒を強める。

 山岳遭難救助隊の公式X(旧ツイッター)やユーチューブでは過去の遭難事例や安全対策などを紹介している。同隊は「過去の事例では、認識の甘さや油断からの遭難もみられる。雪が少なくても日陰などは凍っていることもあり、春山登山は注意が必要」としている。【鈴木英世】

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