宮沢博行氏(春名中撮影)

衆院は25日の本会議で、自民党を離党した宮沢博行衆院議員(49)=比例東海=の辞職を許可した。辞職の一因となったのが、宮沢氏が「パパ活アプリ」といわれる出会い系アプリを使い、若い女性と買春目的とも捉えられかねない交渉をしていたとの週刊誌報道だ。若い女性がアプリを通じて出会った男性とのデートや性行為の見返りに、金銭を受け取る「パパ活」は、監禁など犯罪に巻き込まれる危険もあるが、ネット上には入口となるアプリが多数存在する。専門家は「今の若者は当たり前のようにアプリを使って交際相手と出会う時代」と指摘し、トラブルに注意するよう呼び掛けている。

週刊誌報道によると、宮沢氏は「パパ活アプリ」に登録し、年齢や出身地、身長などを公表して若い女性との出会いの機会をうかがっていた。

ネット上には、出会い系の業者が運営する多数のマッチングアプリやサイトがあり、スマートフォンで登録すると、気軽に活用できる。ほとんどのアプリは女性の登録が無料、男性は有料だ。登録の際は、運転免許証などの本人確認書類のほか、源泉徴収票などの収入証明書を求める業者もある。女性が男性の年収などで相手を選別できるようにするためだ。

「パパ活」を巡っては、未成年が事件に巻き込まれる恐れがあることから、警察が「出会い系サイト規制法」で取り締まりを強化。多くのアプリの運営業者は、トップページで「18歳未満の方の利用は固く禁止」などと表記し、性犯罪の温床にならない配慮をしている。

青少年のネットトラブルに詳しい文教大の池辺正典教授(情報学)は、こうした出会い系アプリの現状について、「いわゆる〝パパ活アプリ〟も、本人確認を登録ノルマにしていれば、違法ではない。今、若者の出会いはマッチングアプリがメインで、当たり前のように使う。中高年とは感覚が違う。むしろ規制すると婚姻率が下がるだろう」とも言及する。一方、犯罪の温床になる危険もあることから、「〝パパ活〟もすべて売春目的ではないが、適切な利用を誘引しているアプリかどうか、利用者のモラルが求められている」と話している。

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