栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体が見つかった事件で、夫婦が事件当日の未明に訪れたとみられる東京都内の空き家について、死体損壊容疑で逮捕された男性が「ある人物から場所を伝えられ、知人2人に行くように頼んだ」と供述していることが、捜査関係者への取材で判明した。警視庁と県警の合同捜査本部は、指示役とみられる人物が、夫婦と接触する場所を指定したとみて調べている。
捜査関係者によると、死体損壊容疑で逮捕された平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)=埼玉県越谷市=は、遺体発見前日の15日夜、東京都品川区内で、セダン型の乗用車を知人2人に引き渡した。その後、セダンが品川区内の空き家に近づく様子が、防犯カメラに映っていた。
一方、死亡した会社役員の宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)=東京都千代田区=も、16日午前0時ごろ、ワンボックスカーで空き家付近に到着。平山容疑者の知人2人と空き家で接触したとみられる。
空き家のガレージからは血痕が見つかった。捜査本部は、知人2人がガレージで夫婦に暴行を加え、セダンに乗せて遺体発見現場まで移動したとみている。
平山容疑者は遺体発見の3日前から、ガソリンや結束バンドなどを購入。「ある人物から遺体を処理するように指示され、大金を受け取って引き受けた」と供述しているという。現時点では、平山容疑者の銀行口座や自宅から報酬とみられる現金は見つかっていない。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】
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