1935年を最後に那覇大綱挽(ひき)とともに失われていた泊旗頭の2番旗「西王母(シーオーブ)」が6日、89年ぶりに復活した。伝統の旗頭を継承する「とまり会」が那覇市の泊北公園でお披露目会を開いた。桃をかたどった灯籠(トゥールー)と、旗字「武徳」が公園で組まれて完成した旗頭が空高く舞うと、集まった住民ら100人が拍手や指笛で喜んだ。

 「西王母」は中国の故事に出てくる仙人。3千年に1度なる桃の実を食べると、長寿になるとの言い伝えがある。

 泊は那覇大綱挽が復活した71年に1番旗を制作し、以降毎年使ってきた。だが2006年に見つかった王府時代の「那覇四町綱之図」に、2番旗の図柄が描かれていることが判明。約10年前から2番旗の復活も話し合ってきた。

 青年部長の國吉真徳さん(37)は父親をまねて小学生の頃から旗頭に携わってきた。感無量の表情で「次は泊で引かれていた綱引きを復活させたい」と話した。

 2番旗は13日の旗頭行列と那覇大綱挽でも披露する。泊旗頭実行委員会委員長の平敷兼哉さん(55)は「本番も美(ちゅ)ら旗(ばた)を舞(も)うらしたい(上下に揺らしたい)」と意気込んだ。(社会部・吉田伸)

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