袴田巌さんに対する再審で無罪判決となり、笑顔を見せる姉の秀子さん(中央)=静岡市葵区で2024年9月26日午後4時22分、宮武祐希撮影

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)に対するやり直しの裁判(再審)の判決で、静岡地裁は26日、無罪(求刑・死刑)を言い渡した。静岡地裁前では「袴田巌さんに無罪判決」と書かれた旗が掲げられ、支援者から拍手が湧き起こった。

 判決の言い渡しは2時間近くに及んだ。閉廷した午後4時過ぎ、静岡地裁から袴田さんの姉秀子さん(91)と、弁護団事務局長の小川秀世弁護士が支援者らの前に姿を見せた。

 「秀子さんおめでとう」。支援者らは58年間、弟の無罪を信じ続けてきた秀子さんをねぎらった。

 秀子さんは、精神状態を理由に出廷を免除された弟に代わり、2023年10月から始まった計15回の再審の審理に全て出席した。

 判決が言い渡された26日は、淡いベージュのジャケットに白いブラウス姿。「潔白」という意味を込めたという。

 支援者の歓声に包まれる中、秀子さんは「長い間ありがとうございました。皆様の応援のおかげです」と顔をほころばせた。【丘絢太】

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