九州でも再審請求が続く事件は複数ある。袴田巌さん(88)に再審無罪が言い渡されたことに各弁護団から歓迎の声があがった。
福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」の第2次再審請求審は、福岡地裁が2024年6月に久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の再審を認めない決定を出した。決定を不服として福岡高裁に即時抗告した弁護団の岩田務弁護士(福岡県弁護士会)は「証拠開示の明確なルールはなく、裁判所と検察の対応次第になっている。冤罪(えんざい)被害者を救うためにも、証拠を開示するルールを作るべきだ。今回の判決は再審法改正に影響を及ぼす」と話した。
鹿児島県大崎町で79年に男性の遺体が見つかった「大崎事件」では、殺人罪などで服役した原口アヤ子さん(97)が無実を訴え、最高裁で第4次再審請求審の審理が続く。弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士は「裁判官の間に『捜査機関の主張を無条件に信じるのは危ない』という認識が広がるのは大崎事件にとっても良い流れだ」と評価した。【志村一也、取違剛】
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