ステージでエレクトリックバイオリンを奏でるSUGIZOさん(中央)ら=東京・代々木公園で2024年9月21日、沢田石洋史撮影

 国連が定めた「国際平和デー(通称ピースデー)」の21日、東京・代々木公園で野外イベント「PEACE DAY2024@代々木公園」が開かれた。国内でのピースデー普及のため、2018年に始まったイベントには、歌手のMay J.(メイジェイ)さんや、「LUNA SEA」などのロックバンドでギタリスト・バイオリニストとして活動するSUGIZOさんらが出演した。

 イベントは約8時間にわたって行われた。MCは俳優のサヘル・ローズさんとジャーナリストの堀潤さんが務め、アーティストら多彩なゲストが平和のメッセージを発信した。

 このうち,メイジェイさんは映画「アナと雪の女王」日本版の主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」やカバー曲のバラードメドレーなどを披露した。イベントに参加した感想として「日本はほかの国に比べたら平和だと思うし、安全で安心な国だと思うけれども、(世界で起きている)いろいろなことを家族や友達とカジュアルに会話できるようになれば、みんなの意識が変わる、と心から思った」と話した。

 ステージの最後に登場したのは、エレクトリックバイオリンを弾くSUGIZOさんと、構成作家でサウンドデザイナーの谷崎テトラさんが反核、反戦のメッセージを発信するユニット「S.T.K.」。アフガニスタンやコンゴ、ウイグルの民族音楽を奏でるミュージシャンたちと約40分に及ぶ「組曲」を演奏した。嘆きや怒りのエネルギーを浄化し、最後に世界中が平和でつながるイメージでつくった曲だという。SUGIZOさんは「僕らは平和と幸せを願っている。でも、戦争をしたらもうかる人、ハッピーになれる人がいる。その構造を変えたい。ピースデーはとても大事な日。平和と同時に、災害に襲われている各地に対しての祈りを込めて演奏した」と語った。

 今年のピースデーイベントは、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、中東情勢が緊迫の度合いを増す中で開催された。主催した「NPO法人PEACE DAY」はメールマガジンを発行しており、登録者100万人を目指している。井上高志代表理事は「『自分一人の力では国を動かせない。戦争なんか止められない』と思うかもしれないが、声を束ねれば、政府も首相も大統領も無視できなくなる。その素地をつくりたい」と呼びかけた。【沢田石洋史】

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